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お客様本位の柔軟対応が嬉しい!
「焼豚」が大人気の“まちのお肉屋さん”

店主 芦沢靖浩 / 浪花軒 / 静岡県富士市中之郷697
2019.03.18

旧国道1号線沿いにあり、JR富士川駅からもほど近い浪花軒は、芦沢靖浩さん(以下、匠)が二代目店主を努める精肉店です。
今では珍しくなった枝肉からの仕入れにより、新鮮な精肉を提供しているほか、お惣菜の販売も行っています。食堂も併設していて、主婦、高齢者、会社勤めの方まで、広く地域の人達に親しまれています。
ざっくばらんで温かな人柄のうかがえる匠は、商工会理事のほか、青色申告会、富士川楽座の役員も務めており、会員のみならず、職員達からの信頼も厚く、地域の頼れる存在として活躍しています。

「枝肉を自前で処理、新鮮で安心安全な食を提供」

– 関西風な店名ですが、何か由来があるのですか?

匠:この店は私が生まれる前からやっているのですが、店を出す前に親父が、吉原本町通りにあった「浪花軒」という洋食屋で修業していたんです。そこからのれん分けをしてもらったわけです。
もともとは、そこのご主人が関西で修業を積んでいて、だから「浪花軒」なんですね。

– 洋食屋さんとしてスタートしたのですね。

匠:隣の食堂がそうです。以前は宴会等も受けていました。ただ、昔ちょっと体調を崩して入院したことがあったんです。仕事後の徹夜麻雀なんかで遊び過ぎて(笑)。今は日中だけ(8:00~18:00)の営業でやっています。

– 精肉店はいつからやられたのですか?

匠:創業当時からやっていたと思います。というのも、昔は「つぼあげ」といって、農家をはじめ、どの家でも豚を飼っていたのでね。
今は養豚場で専門に多頭飼育をしていますが、以前は自分たちの残飯を食べさせて飼育するというようなことで、どこの家でも飼っていたんです。うちでも飼っていました。今は一軒も富士川地区では見られなくなりましたけれども。
そして、その豚を一頭ずつカゴに入れて屠畜場へ持って行って、枝肉にしてもらうんです。農家にとっては副業でもあったんですね。
枝肉にはまだ骨が残っているので、スーパーなど、今は枝肉ではなくて、精肉で仕入れているところが多いのですが、うちは、今も枝肉で仕入れています。
一頭買いして、冷凍の倉庫に吊るしているのですが、自分のところで骨抜きからスライスから全部やっています。だから、上ランクの豚肉の取扱い、販売もしています。

必要な部分を必要なだけ新しいうちに提供できるから良いはずなのですが、今ではこういう感じでやっているお肉屋さんはないですよね。こんな効率の悪い仕事する所なんてないでしょう(笑)。でもうちは昔からこんな風にして、変わらずにやっています。
そもそも、今は屠畜の施設自体がないですしね。以前は岳南食肉センターというのがあったのですが、5年前に閉鎖して、県の東部地区にはどこにもありません。だから今は、業者さんが山梨県まで行って持ってきてくれています。
できるだけ新鮮なものを提供するには、やはり枝肉がいいということでやっていますが、いま吊るしているのは、昨日屠畜して、今朝届けてもらったものです。

– 枝肉から処理するのは非効率ということですが、そもそも技術がないとできないのでは?

匠:その昔、「イノシシを鉄砲で撃って捕まえるからさばいてくれないか」と知人に頼まれたことがありました。それでさばいたこともありましたけれど、やってくれと言われてもできる人がいないですよね、たしかに。
今はイノシシを捕まえても処理をするところがなくて山梨まで持っていくと聞いています。私も今はやりませんけど、昔はそういうこともありましたね。

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「遠方からもお客様がやってくる人気の「焼豚」」

– いろんなお惣菜が店頭に並んでいますが、ここで作っているのですか?

匠:はい。精肉店ならではのコロッケをはじめ、煮物も全部ここで手作りで出しています。ですから、保存料だとか、いわゆる食品添加物は使用していません。

– 他にこだわりや心がけていることがあれば教えてください。

匠:ただ売るだけではなくて、精肉だったら料理法をお伝えしたり、惣菜ならその特徴を説明したりしています。
お客様の要望に応じて自由に加工もしています。たとえば、今は一人二人で暮らしている世帯も増えているので、シュウマイなんかでも少量での販売もしています。
焼豚だと、どの辺が欲しいのかを聞いて、その部分をスライスしてグラムで販売しています。焼き鳥なんかも、焼いて欲しいと言われれば焼きます。
以前、食堂で出しているカレーを自宅でも食べたいという声が多くあったので、パックにして出したりもしています。
あと、高齢者のお客様の場合、商品だけでなくて、お店の出入りにまで心配りをするよう、全員で心がけてやっています。

– 一番人気のお惣菜は何ですか?

匠:一番人気は「焼豚」です。大晦日なんかは、予約が多くて、夜中から焼いても間に合わない程です。
晩ごはんや弁当のおかずといった自宅用だけではなく、お土産用に買っていかれる方も多いですね。
最近はとくに、「お土産でもらって美味しかった」というようなことで、初めて見る顔の方が増えました。今はいろいろなインターネットなんかでの口コミもあるのかもしれませんが、富士川地区以外のお客さんがすごく多くなりました。

– じつは私もいただいたことがあるのですが、脂身のバランスがよく柔らかでジューシーですよね。味付けもタレいらずでちょうどいいですし。

匠:ありがとうございます。焼豚もお店によっていろいろな製法があると思うのですが、うちは、生肉の塊の状態で時間をかけてじっくり焼くんです。少量だったり、煮てしまえばもっと早くできるのですが、そこは時間をかけてじっくり焼いています。

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「この仕事が生きがい」

– 現在、理事をされているそうですが、商工会さんとは長いお付き合いだとお聞きしました。

匠:そうですね。青年部の頃からいろいろやっていました。当時は青年部があちこちにあって、ソフトボール大会等々、活発にやっていましたね。富士川の商工会だけでもAブロック Bブロックと、何十チームもあったんです。 Aブロックというのは企業関係で、Bブロックは我々のような小売業者の寄せ集め。そんな感じで盛んにいろいろやっていた時もありましたけれども、今では廃業するところもこの辺では多くなりましたね。
一昨年、蒲原のお肉屋さんが廃業して、富士川蒲原地区で、小売りの、いわゆる「まちのお肉屋さん」はうちだけになりましたし。
うちは事業所関係の配達があるので、何とかやっていっている状態ですけれど。やはり、店頭販売だけでは厳しいですよね。
一カ所で何でも買えるスーパーに行ったり、今は車でどこにでも行けるので、一般の個人消費はかなり落ちているというか、ほとんど頭打ちになっていますね。

– 配達はどういったところへ行かれているのですか?

匠:保育園関係とか、介護施設関係、社員食堂や寮がある会社関係です。朝8時~9時のあいだに7軒くらいまわっています。そこから帰ってきたら今度は会社関係をまわります。
朝は惣菜も作るので、ほぼ毎朝4時に起きています。7時半くらいから30分くらい休憩して、 BSの朝ドラを見ながらご飯を食べて、それからはもうほとんど休みなしですよね。

蒲原のお肉屋さんから引き継いだお客様もいるので、丈夫なうちはがんばらなければならないなと思っていますけれどもね。
若い頃からずっとこの仕事をやっているので、続けていられること自体が有難いし生きがいかもしれません。これができているうちが花かなとも思いますしね(笑)。

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店主 芦沢靖浩
浪花軒
静岡県富士市中之郷697
0545-81-1067


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