画像

海外で修業を積んだ本格ガイドによる
ラフティングと話題のサップが地元で体験できる!

代表取締役 山田良治 / 株式会社フレンズ / 静岡県富士市木島194‐1
2019.03.18

富士川は知る人ぞ知るラフティングの穴場スポット。そんな富士川沿いにベースを構える株式会社フレンズは、代表取締役の山田良治さんと奥様でマネージャーを務める山田香織さん(以下、匠)が2010年に立ち上げた会社です。以来、「スリル・楽しさ・安全性」にこだわったラフティング体験を提供し続けています。
2016年からはハワイ発祥のスポーツ「SUP(サップ)」の体験もできるなど、時代とお客様のニーズを敏感にくみとったサービスでファンを増やしています。近年は地元の子供のための「キッズラフティング」にも力を入れ、川遊びの楽しさを通し、自然に学び共存できる心を伝えています。

「親子3世代で楽しめる貴重なウォータースポーツが地元に」

– この会社を始めようと思ったきっかけは何だったのですか?

匠:主人が25歳で初めてラフティング体験をしたのがきっかけです。
翌年には「ガイドになりたい」とまで思うようになり、27歳で彼はニュージーランドに修行に行きました。その後、ネパールにも渡っています。
フリーランスで動くようになって、最終的には日本のラフティングのメッカでもある四国で5年程ガイドをしていました。
その後にフレンズを立ち上げました。四国での立ち上げも考えたのですが、主人が富士宮、私が富士市大淵の出身ということで、「富士川の自然を地元の人間だからこそちゃんと伝えたい」という思いが強くあって、地元で始めることにしました。

– 失礼ながら、ラフティングは地元では知る人ぞ知るというイメージなのですが…

匠:おっしゃるとおり、初めて来られた地元のお客様は、「近くでこんなに楽しめるのに、なんでもっと早く来なかったのかな」という方が多いですね。じつは、主人がラフティングガイドをするまで、富士川でラフティングをしているのは私も知らなかったんです(笑)。

お客様には全国色々な所から来ていただいています。時期によっても分かれますが、ゴールデンウィークはファミリー層が多いです。
ゴールデンウィーク明けから6月の中旬までは、修学旅行生が増えます。この時期は社員旅行でのご利用も多く、地元企業も増えてきましたね。リピートされる会社の方がよくおっしゃるのは、「上と下の関係がここにきてからすごく良くなった、チームワークが良くなった」ということです。
たしかに、川の中に入ったら上司も部下もありません。一緒に何かを成し遂げるということに関しても、ラフティングの目的は一つ。「みんなで楽しく安全に川を下ろう」ということで、最近は、研修の一環として実施されているところもあります。
海の日を境に一気にファミリー層が増えてきます。その後、8月末からは大学生のサークル活動の一環で利用されることが多いですね。10月は8割がリピーター様です。
ラフティングは10月31日でシーズンオフにしていますが、サップといって、ボードの上に立ってパドルを漕いで進んでいくというアクティビティは、運動量があって体温が上がるので、好きな方、コアなお客様には冬でも来たいという方が増えています。意外にも、そうした熱心な方というのは女性に多いです。ラフティングも女性が多いですね。

ちなみに、ラフティングができるのは、小学校1年生からで身長は100㎝以上と決まっています。大人は限りなく何歳でも大丈夫です。昨年の最高齢は82歳の男性で、その方は毎年、娘さんとお孫さんを連れて来られます。
サップは操船が難しいこともあって中学1年生からとなっていますが、やはり上限はありません。うちでも、60代でやっている方がいますが、最近はとくに活発なシニアの方が多いように感じます。

– ホームページを拝見したら、子供達でラフティングをしている画像があったのですが?

匠:最近、いろいろな自然災害があって、富士川も台風の後は荒れ狂っていたりするのですが、でも、素晴らしい自然の恵みですよね。それを川遊びを通して、地元、富士富士宮地区の子供達に知ってもらいたいという思いがあって、2012年からキッズラフティングを始めたんです。
友人知人に声をかけるというところからのスタートでしたが、年々利用者が増えてきました。最初は怖がって泣き出す子もいますが、それでも「また来年も来たい」と、楽しみにしてくれているお子さんがすごく多いです。

01_04

「徹底した安全性へのこだわり」

– 海外まで修業に行かれたということでしたが、安全性も含め、実体験から習得されたことも多いのでしょうか?

匠:そうですね。川の流れは目を養わせない限り分からないのですが、今はもう川を見れば分かりますね。なので、川の事故では、ラフティングガイドがレスキューで消防署から要請を受けることもあります。それぐらい川の流れを読めないと、ガイドとしては、お客様を安全には運べないわけです。
そのためにも経験値はやはりとても大事だと考えていて、常にどんな状況でも川を下れるようにというのを目指し、寒いですけど2月からガイドさんはトレーニングを始めます。

たとえば、ボートがひっくり返ったら、体制を整え、さらにお客様をレスキューしなければなりません。だから、増水時にわざとボートをひっくり返して練習することもあります。
ちょうど台風直後に 、規定水位内だったので蓬莱橋の辺りで練習していたことがあったのですが、通行人の方がそれと知らずに通報し、警察と消防から注意されたこともありましたね(苦笑)。でも、それぐらいの状況の中で対応ができなければなりませんから、以降も事前に届を出して練習しています。

泳ぐ練習も欠かせません。ただ泳ぐだけではなくて、川の流れを読んで泳ぐわけです。
ボート上でも流れは読めるのですが、実際に泳いでわかることもあるので、冬場で寒くて過酷ですけれど、泳ぐ練習もたくさんしています。

シーズン中は、お客様が来る前に、ガイドさんたちが朝4時に集合して、川を下って安全なルートがどこなのかということをしっかりチェックしています。その日の担当ではないガイドさんも、腕が落ちないように自主的にトレーニングで出ていますね。
ちなみに、うちのガイドさんは一人がネパールの方で、それ以外はみんな地元。全国的にも、地元ガイドでまとまるというのはかなり珍しいと言われています。

01_04

「付加価値にもクオリティを追求」

– たしかに安全性は重要ですよね。スリルあっての楽しみですから。

匠:安全性と技術はあって当然で、スリルと楽しさと安全の3つがそろって初めてサービスになるわけですからね。
だからたとえば、水量が少ないと物足りないという声も少なくないのですが、わざとボートを後ろ向きにするとか、それに応じたスリルの味あわせ方というのがあったりします。川を安全に下るということにプラス、そうした工夫をすべてにおいて大切にしています。

乗船の組み合わせにしてもそうです。ボートをひっくり返して遊びたい若者達と、小学1年生が同じボートでは、満足度が下がってしまいます。そのため、予約の時点でしっかりお客様の情報を聞き出します。
「フレンズさんはちょっと予約で細かすぎる」と言われることもありますが、そこは命を預かっている仕事だからこそ細かくお聞きしているということをお伝えしたうえで、あえてこだわってやっています。

01_02

川下りの後は、ベースに戻り、川下りをしていた時の画像を大画面で流しながらデッキでバーベキューを楽しんでいただきます。
その際、お酒をはじめ、お肉も、地元富士宮で人気の老舗お肉屋さんから毎日配達してもらったものをお出しするなどこだわっています。
バーベキューは3コースあるのですが、一番人気は値段が一番高いコースです。
以前は、お値段ひかえめでお腹いっぱい食べられることを売りにしていたこともありました。満足はしていただいていたものの、食べ残しが多くて「もったいない」という声もあって、量よりクオリティを上げたんです。そしたら大好評で、味をしめたお客様の中には、「バーベキューが食べたくてまた来ました」という方までいるほどです。安いものだけが出る時代じゃないんだなとすごく実感しました。
同時に、付加価値がすごく大事だとあらためて思いました。バーベキューに関しては、手ぶらOKはもちろん、アウトドアとは違う、「ミドルドア」と社長は言っているんですけど、雨でも大丈夫です。また、2人からの利用も可能で、カップルやお子様と2人で来られた方々に喜んでいただいています。
女性グループも多いので、美味しいものをただ提供するだけではなく、今はインスタ映えが重要ですから、調度品をはじめ、お皿やトレーといった細やかなディテールにもこだわっていきたいと思っています。

ちなみに、ベースは社長自らコツコツ作り上げたものです。木目の感じがいいとか、お客様自身がそうした箇所を発見して写真を撮っていたりします。
ただ、どうしても木製ですから朽ちてもきます。そういったところの補修で商工会さんから融資を受けたりもしてここまで来られたというところでもあります。
地元の方にもボート置き場を貸していただくなど、たくさんの方にご協力をいただいていて、本当に感謝しています。
そうした皆様の応援に応えるためにも、ラフティングや食材等々、地元の自然の恵みを通して、お客様には最後の最後まで楽しんでもらい、「フレンズに来たら夏に楽しい思い出ができる」「富士川に来て良かった」と、そう思っていただける地元に根差した会社でありたいなと思っています。

01_02

information
代表取締役 山田良治
株式会社フレンズ
静岡県富士市木島194‐1
0545-30-9920
http://friendsraft.com/

>お問い合わせ

一覧に戻る